ayakonoheya’s diary

日々のことを、ありのままに

旅行が怖い・・・

旅行が少し怖い。はっきり言えばちょっと苦手だ。

「いつもの」感じで過ごせない。
私は昔から「願わくば家でいつも通り過ごしたい」という気持ちで生きてきた。
いつもの道具がいつもの場所にある環境が好きだ。
出かける直前まで洋服選びができる気楽さが好きだ。

 

旅先に「いつもの」がないことが不安だ。
「寒いのか暑いのか分からないから、服を多めに持って行かなきゃ」
「これも必要になるんじゃないか?あれも必要になるんじゃないか?」
「これだけ詰めたけど、忘れ物はないだろうか」などと思いを巡らせ、荷物でパンパンになってしまう。

 

さらに家に残しておくものたちも不安だ。熱帯魚、観葉植物、その他大切な荷物たちにしばらく会えないとなると、それもそれで心配なのだ。

こうした性格ゆえ、私は修学旅行などが苦手だったし、家族旅行も好きではなかった。
出張も気が重い。
会社にちんといて、編集でもして、いつもの家に帰る生活が一番落ち着くのだ。

 

こうして書いていると、私は旅に対してポジティブな気持ちがないことに改めて気付かされる。それゆえ、私は自発的に旅を企画しない。
母や彼や友人たちが「行こうよ」と誘ってきたら「そうかい。行くかね…」と、乗るスタイルである。

 

この秋、彼がお得で楽しい旅を企画してくれた。
私は遠すぎる場所は運転も不安なので、奥能登は避けたいと伝えていた。
「ぎりぎり中能登ならなんとか行けるかもしれない」というと、彼は石川県志賀町の別荘を予約し、焼き牡蠣セットも注文してくれていた。庭で牡蠣バーベキューを楽しもうということらしい。
別荘のため自分たちで調理もできるらしく、私は油、レモン汁、バスタオル係に。彼はしょうゆや塩など調味料係になった。

 

初めての場所。初めて運転する道。私は2週間くらい前からどきどきしていた。
旅の前日、どきどきが止まらないため「わたし、慣れない土地だとちょこっとどきどきするから、寄り添って、助けてください」と彼にラインする。
返信は、パンダがイモを持って踊っている陽気なスタンプだった。

 

彼は金沢から。私は富山から向かい、現地集合となる。富山から氷見を通って石川に抜ける初めてのコース。どきどきしながら車を走らせる。天気も良く、思いのほか気持ちよかった。氷見から石川に向かうと、神子原米の里、羽咋に出るのか…。ある意味、こうして強制的にレールを敷いてもらうことで、私は人並みに生きていくテクニックを身に着けているのかもしれない。
親しい友人や恋人がいないと、私は確実にひきこもり生活一直線なのだ。

 

行先は志賀町ハートランドヒル能登風見鶏の家、メルヘンの家、天空の家、池のほとりの家、キャンプスタイルの家など様々な別荘が点在し、かなり迷ってしまった。


ようやく私たちが泊まる「吹き抜けのある家」に到着。広い、広い、部屋数も多い。

卓球台などもあり、昭和の良き時代に造られた建物という感じがする。
私の方が先に着いた。石油ストーブをつけ部屋を温める。

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吹き抜けのある家

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ハートランドヒルズin能登 志賀の郷リゾート 吹き抜けのある家外観

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玄関から見た感じ

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二階から見た感じ

 

今夜は地元のスーパーで買ったものを適当に食べようということになっていた。

彼は「バケットがあるといいな」と言っていたので、バケットにチーズ、サラダ、肉などの買い出しに出かける。


18:00ごろ彼が到着。せっかくある卓球台で30分ほど遊ぶことにした。室内なので、お互い靴下で卓球をする。こんなに楽しい時間なのに、私は滑って転んで卓球台の角に頭をぶつけるんじゃないかとまた不安になる。
「滑らないでね」「転ばないでね」「頭打ち付けないでね」などと注意を促しながらラリーを続ける。「大丈夫、大丈夫!余裕~♪」と軽く返される。

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結構、夢中になった・・・!

18:30。部分月食を見に外に出る。志賀町の夜は暗い。街灯などもほとんどない。真っ暗な環境の中、澄んだ空で月が徐々に欠けていく。

きれいだねぇ・・・すごいねぇ・・・と言いながら「こんな真っ暗だから、万が一車が通ったら大変だ。車は私たちに気付かないよ。車に轢かれないようにせんとね」と、またまた注意喚起を促してしまう。

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彼が撮影した写真

いつもいつもこんな調子なので、彼も慣れた様子だ。特に気に留めることもなく、マイペースに月の観察をしていた。

卓球台に頭をぶつけることなく、暗闇で車に轢かれることもなく、無事に別荘に戻る。

 

夕食の前に温泉に入る。別荘のお風呂が温泉なのだ。熱いお湯を足しながら、心配で凝り固まった体をほぐしていく。

夕食は彼がガーリックバターソースなる魅力的な調味料を持参してくれていたので、それを焼いたバケットにつけて食べる。だからバケットが必要だったのかー。あまりに美味しくて、どんどんパンを焼いた。

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温泉♨これは嬉しい!テンション上がる!!

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手前にあるのがケンコーマヨネーズ(株)の「ガーリックバターソース」

 

いっぱいいっぱい心配もしたけれど、楽しい。

旅の1日目の夜がゆっくり平和に過ぎていく―。