2日前、母と私は険悪なムードだった。
大野カメラ散歩の打ち上げに、私たちは香箱ガニが6杯分入ったどんぶりのお店に行くつもりだった。
が、1週間前に予約をとろうとして、もう満席だと伝えられたのだ。
母は「カニ気分満々だったのに、幻だった。もうとっくに予約してあるものだと思っていたのに、予約が遅かったんだ」と言ってきた。
私は「おかんと違って、私は毎日カニのことばかり考えているわけではない。仕事もあるし、雑務もあるし、日々頭を使いまくっているんだ。そんなに私を責めるなら、カニのことしか考えていない暇なおかんが予約をすればよかったんだ!」と怒りをぶちまけ、「代打の店、おかんが決めれば!」と言い放った。
すると、いつも行くまわる寿司店や、近所の焼肉店はどうか?と、まったくリサーチの跡が見られない返信がきた。
「なんかださいね。知ってるとこ、並べただけ的な」と返す。
もう、この時点で大げんか勃発か?カメラ散歩イベントにおかんを連れて行くのをやめるか?などとも思ったが、お互い最悪の事態は避けたいと感じたのか、それ以上はヒートアップしなかった。そうして香箱600%どんぶりに後ろ髪をひかれながら、互いにリサーチを開始した。
すると、冬のあったかメニューとして『かに味噌甲羅焼き』や『かにクリームコロッケ』や『かにチーズケランチム』など、かにを前面に押し出している八兆屋が目についた。色んな店をリサーチしたが、母も私も「ここにしよう」と、意見が一致した。
今度こそちゃんと予約を取らなければならぬ。
私は予約の時点で、「かに味噌甲羅焼きは是非とも2つ注文したいのですが、よろしいですか?」と聞いた。すると「OKですよ~」と、スムーズに予約が取れた。
大野カメラ散歩のイベントも楽しく終え、2日前に険悪だったムードは、どこへやら。
私たちは、そんなことをけろっと忘れ、かに味噌の甲羅焼きに舌鼓を打った。
母はあっという間にビールを飲み干した。
「ペース早すぎない?」と言うと、「なんかきょうのジョッキ、小さいんだよ。ビールも少ししか入ってなかった気がするし」と滅茶苦茶なことを言い、オレンジサワーを追加していた。
生ビールのジョッキが小さいわけがない。ちゃんとしたジョッキに、すれすれに入って提供されたのを私は見ている。おかんも上機嫌で、ぐびぐび飲んでしまったのだろう。
こうして2日前の『カニどんぶり予約騒動』は静かに鎮火した。
この店にしてよかったね、などと言いながら、食べたいものを食べたいだけ注文した。
『八兆屋 県庁前店』チェーン店だけれどお料理は美味しいし、個室っぽくてきれいな席だし、すごくよかった。ここに来る縁があったのかな。
ちなみに、食べそびれた香箱600%どんぶりはこちら。なかなかの破壊力でした笑