『お慕い』の反響
「こんばんは。お休み日は、いかがお過ごしでしたか?
ジョギングは、なさったのでしょうか?
フェイスブックの写真で、水槽、拝見いたしました。
エビちゃん、なかなか味があり楽しいですね。
新三姉妹魚は、仲良く揃って遊泳していていい感じです。
ホースお買い求めになられたのですね。
水替えの時間が短縮されて、よろしゅうございますね。
またまたブログ、素晴らしいです。
お慕いしている方は、アヤの何のリポートをみて癒されたのでしょうか?
この人物のことを、彼はどう思っていらっしゃるのでしょうか?」
一体何事かと思った。母からのLINEだ。
私が書いた前回のブログ「きれいな言葉」に感化されている。
「おかん、面白すぎる~!」と返したが、いつものおかんはどこへやら。
完璧にゾーンに入ってしまったようで、次のような返信が送られてくる。
「特に面白いことは、申しておりません。
私の問い掛けの返信をお待ちいたしております」
そう。前回のブログで、私はきれいな言葉を使う男性が好きだと書いた。
人生で初めて「お慕い申し上げております」という言葉を使ったことも。
書きながら、ぎりぎり、ぎりぎりの線だとは思っていた。
ぎりぎりセーフなのか、ぎりぎりアウトなのか分からぬまま、発表した文章だった。
もちろん彼のことが気にかからないわけではなかった。
別の男性に「お慕い申し上げています」という私のことを、どう思うのか。
私は長年、彼のこともお慕い申し上げてきたのだが、彼は私がかしこまった言葉を
使うことを好まなかった。
「なんか距離を感じる。心を開いていない風に感じる…」と、否定的だった。
だから彼には使わなかったのだ。どうせ使っても逆効果なのだと。
ちゃんと伝わる人に申し上げたいと。
その日彼から、私のブログのスクショが送られてきた。
そして「お慕い、おしたいーーー」と、書かれていた。
どういう意味だろう…。恐る恐る「なになに?」と返してみる。
「僕もお慕いされたいーーー」「おしたい!おしたい!!!」と書かれている。
「お慕い、好きになったの?」と聞いてみる。
「好きになったにゃー。シャワーいってくるねーー」それでこの話は終わった。
どこまで本心かは不明だが、意外とあっさりした反応だった。
もしかしたら大げんかに発展するかもしれない、私たちは終わるかもしれないとさえ思っていたが、このブログに関するやりとりは非常にポップな形で幕を閉じた。
しかし、母の中では終わっていなかったようだ。
数日経ってもまだその文章を引きずっている母から、興奮冷めやらぬLINEが送られてきた。
「『きれいな言葉』は、今までのブログの中で、私にとってはナンバーワンです。
何回も読みました。
登場人物が、それぞれ素敵。
しゃべりのセンスやペンのセンスがあり、「品」も「学」もある方々。
太宰治の朗読を聞かせてくれる人…。それを贅沢に横顔を見ながら聞いている。
ティファニーの指輪を買ってもらったとか、星がつく高級レストランでディナーをしたとか、そんな話はどこでも聞くが、朗読だなんて…!
きれいな言葉に見合ったきれいな言葉を返すアヤ。
「お姿」と書かれトキメキ爆発の感じが伝わりすぎる。
「お慕い申し上げます」なんて気恥ずかしいことを送信してしまって、やっちまったかなぁ…と思う間もなく、意外な返信にますますトキメキ💛
実話を巧みに書けるって才能だね。手に取るように伝わる。
アヤの文才が冴えている。
私なんか、とても登場できない。
できるとすれば、大きなイチモツをみて笑っていたことのみ」
そう。どぶろっくの大きなイチモツの歌も、ぎりぎり、ぎりぎりだ。
ぎりぎりセーフなのか、ぎりぎりアウトなのか不明だが、とりあえずテレビ局はセーフとして放送しているのだ。
というわけで、なんだか知らないが、母はすごい感動してくれたらしい。
私は母に「おかんは私のスペシャル読者!もしかしたらおかんがいるから私は書けてるのかもしれない」と返信した。
そして彼には「きょうの仕事もすてきでした。お慕い申し上げております」と送信した。
2021年9月7日(火)くもり