自己表現と化学反応 ②書く理由
★シリーズなので、自己表現と化学反応①から読んでいただけると幸いです。
2021.4.25(日)
どうして私はこうして文章を書いているのか?と考えてみると、「日常生活で思うこと感じることはあるものの、そのほとんどを吐露していないからだ」という答えに行きつく。
悩み事や好きな男の話を、打ち明けられる人があまりいない。女の友達だと気を遣う。
年齢、仕事をしているかいないか、その職種はどんなものか、彼氏がいるかいないか、結婚しているかしていないか、子どもがいるかいないか。女性は色んなことが違いすぎる。その違いによって、それぞれがあらゆる地雷を抱えていることも知っている。
とりとめのない話をキャッキャキャッキャと言い合えるのは20代までだ。「ねぇ、聞いて~」なんて言いながら電話するなんて、この年齢では無謀だ。友達が子どもを寝かしつけている時間だったら大ひんしゅくだ。親の介護に追われているかもしれない。眠い時間かもしれない。もしかしたら不倫中かもしれない。
何でも話せる男友達が欲しいと思うことがある。しかし、これまでの人生で男友達ができた試しがない。素敵な人ならば友達にとどまらず彼氏にしいたいと思うし、そもそも生理的に受け付けない相手ならば友達にもならない。私にとって男性は「恋人」か、「仕事相手」か、「知り合い」かの3分類だ。
それでも人は「自分のことを誰かに分かってもらいたい」という欲求があるものだ。
だから私はこうして文章を書いている。興味がある人は、空いた時間に好きなように読んでくれる。そうして私が何に悩み、何に怒り、どういう思考で生きているかを知ってくれる。こんなに便利で人に迷惑をかけない自己表現があるだろうか。
さて、実は「コロナが落ち着いたころに、写真展の第2弾をしませんか?」という話がある。写真展のプロデューサーから「アート」というテーマを与えられ「方向性を決めてください」と言われていたので、自分なりに考えていた。
第1弾のタイトルは「アナザー ストーリー」だった。
「取材の本筋とは違う、もうひとつの物語」というテーマで、取材中に撮った写真で構成した写真展だった。
その第2弾は「アート」か~と思いつつ、プロデューサーに送った文章が以下の通り。
アナザー ストーリー もうひとつの物語
私にとって人生で初めて出会ったアートは絵本
絵本を読んでいると、まったくの別世界に誘われた
大人になってからも、日常生活の中に絵本の世界を求めることがある
日々のごたごたや、人間関係や、ストレスから、まったく切り離された絵本の世界を
カメラで景色を切り取る瞬間に、私は絵本の世界に入り込むような錯覚に陥る
誰もが見ている日常の世界に、自分だけの物語が生まれることがある
アナザー ストーリー vol2
カメラで日常にいながら 非日常を旅する
ここまで書いて、だいたい自分の中では見えたなぁ・・・と思っていた。
しかし、そこにプロデューサーから思いもよらない返信が届く。
自己表現と化学反応 ③につづく