ayakonoheya’s diary

日々のことを、ありのままに

引っ越し騒動 VOL③~かめぼうの搬出~

2021.2.4(木)くもりときどき雪

 

この引っ越しで何が1番気がかりかというと、まぎれもなく「かめぼう」だ。

かめぼうとは何か。同棲していた元恋人が、5年ほど前に欲しがったものだ。

ものすごく怪しいのだが正直に書いてしまえば、その中に入れば幸せになるとされる「甕(かめ)」だった。

 

「そんなでかいもの、絶対にいらんよ。も~!怪しすぎる!!」と、当初私は反対していたのだが、元彼がものすごく欲しそうだったので「いいよ」と言ったのだ。

書くのもためらうくらいの値段だった。ずばり書いてもいいのだが、まあ「普通の乗用車より高く、私のレクサスより安かった」という表現にしておこう。

 

私たちは長い付き合いだったが、結婚しておらず子どももいないので、それくらいの贅沢はまあいいかと腹をくくったのだ。そして届いた甕を「かめぼう」と名付けて、大切にする日々を送っていた。

 

元彼が同棲していた部屋から出ていったときも、かめぼうだけは搬出できなかったようで「カメ坊よろしく~ かわいがってあげてください 邪魔になったら言ってください どうにかします」と置手紙を残していった。

 

私もかめぼうに愛着はあったのだが、「どうにかすべき時」が来てしまったのだ。

 

かめぼうは搬入のときも、ものすごく苦労したらしい。玄関まで運んできたがドアから入らず、窓から入れたと聞いている。便利屋さんにお願いしたと言っていた。

 

私も再び便利屋さんにお願いしようとしたが、見積もりが高かったり断られたりで、結局自分の引っ越しと同日に、アークさんにお願いすることにしたのだ。

 

アークさんは「別のお宅に運ぶ甕(かめ)はどれですか?」と聞いてきた。

私が案内すると、ほほぅ・・・と見て、どこから搬出するか考え始めた。

「玄関からいけると楽なんですがね~」と言っていたが、どう考えても無理なのだ。

 

しばらくして作業員の若いお兄さんが素朴な疑問をぶつけてきた。

「これ・・・なんすか?」と。

私は別に隠すこともなく「ここに入ると幸せになるらしいです。うふふ。怪しいでしょ!?一緒に暮らしていた人が買ったんですが、別れて暮らすことになったんで、その人にお返ししなきゃいけなくて・・・。ちなみに超高いです。車より高いです。」と返した。

 

運ぶときに気を付けてほしくて、値段のことにも軽く触れたのだ。

若い作業員は「100万とか、150万とかっすか!?スゲー!」と言っていたので、

私は心の中で「その倍だよ」とつぶやいた。

 

さて、傷つかないようかめぼうは梱包された。

その写真を元彼に送ったところ「これ、カメ坊か。あったかそーや」と返ってきた。

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あったかそうな「かめぼう」

このLINEを送ったのが午後5時23分。

 

営業担当者は「はしご」で下せばいいという感じだったのだが、現場サイドは「はしごなんて危なすぎる、特殊作業車が必要」と判断し、本社から作業車を呼び寄せた。

 

その間私は近くの飲食店に、「引っ越し作業で車が邪魔になるから、少しの間駐車場を貸してください」とお願いに行った。そして下の階の住人に「大変ご迷惑をおかけします。今から特殊作業車が来るので、車を移動してほしいんです。斜め前の飲食店に、お願いしてあります」と言いに行った。

 

かめぼうの搬出は多くの人の協力を得ながら、1歩1歩進んでいた。

 

が、こちらの状況を分からない元彼からは、「暗い中の作業やしなおさら危ないわ。午前中にやればいいがに。いったい何時になるんやろ」というLINEが入る始末。

 

一瞬、イラーーーッ!っとした。あんたが買ったかめぼうに、私はものすごく振り回されとるのに!きょうだけじゃなく、年明けからずーっとかめぼうの搬出がうまくいくかばっかり考えとるのに!!と。

 

だが、ぐーっと我慢をして「せっかく休みをとってくれたんにごめん。いま本社から作業車がくる。なかなかうまくいかんのや・・・」と返した。

 

そしてあたりも真っ暗になってから、作業車が到着。ようやく物事が前に進みだした。

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よいしょ~!

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もう大丈夫だ~!

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午後6時40分。トラック出発!

午後7時15分。「かめぼう到着~~ 無事でした 元気やったわ」とLINEが入り

ほっとした。

 

後日談。少し痴呆気味の元彼のお父さん。朝起きてかめぼうを見るたびに、

「これは一体何や??」と言い、非常に説明がしにくいらしい・・・(笑)

 

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引っ越し騒動 VOL④~いよいよ新居へ~