引っ越し騒動 VOL②~きっとモテる アークのお兄さん~
2021.2.4(木)くもりときどき雪
午後3時過ぎ、先に母のアパートの荷物から運び出しが始まった。
母からひと言「とても素早い」とLINEが来る。
そうだろうね・・・。プロの手際はすごいんだろうね・・・。
私もそのころには、なんとか荷詰めを終えていた。
段ボールはナンバリングされ63番まであるが、数えてみると65箱ある。
焦って同じ番号を振ってしまった箱があるのだろう。
それを探し出そうと試みたものの、見つけられないまま午後4時半。
いよいよ私のマンションに引っ越し業者が到着した。
リーダーが名刺を差し出し「責任者です」とあいさつしてくださる。
その間に部下たちは慣れた手つきで養生をしていく。
が、その人数の多さに面食らう。後から後からわらわらわらわら・・・
前のお客さんが一軒家から一軒家の引っ越しでまあまあ時間がかかったらしく、
私たちの現場を手際よくできるよう、別のチームからも人員を呼び寄せたようだ。
ざっと数えてみたのだが10人くらいいた。
「逃走中」のハンターが増えるように、あっちからこっちからやってくるので、ぞくぞくした。
私が頑張って詰めた段ボール。
作業員はひょひょいっと3箱重ねて、階段を駆け下りていく。
おぉぉぉぉぉぉ。そんなに急がなくてもいい。その上の段のやつは、私のガラス作品なんだよぅぅぅ!「割れ物注意」って書いてあるじゃんか!!
落としたら新聞紙に包んであるとはいえ、やばいよぅ・・・とハラハラするが、そこはプロ。まったく落とさずに転ばずに、どんどんどんどん運んでいく。素人には考えられないスピード感なのだ。
冷蔵庫も、棚も、あっという間にトラックに積み込まれていく。
みんな若い。たくましい。まぶしい。かっこいい。今っぽい。
母も同じことを感じたようだ。
「すごいわねぇ・・・モテるでしょう」と声をかけている。
お兄さんたちが苦笑いしてるので「当たり前でしょ。モテるに決まっとるわいね」と、私が言って場をおさめる。
本当にみなさんモテそうだった。
きっとかわいい彼女がいるんだろうなぁと想像できた。
汗をかいて働いたお金で、彼女にアクセサリーとかプレゼントするんだろうなぁ・・・などと思う。いいね、そういうの。何の根拠もないけれど、そういう映像が頭に浮かんだ。
私の荷物は何の問題もなかったのだが、いよいよあの子を運び出すときがきた。
そう。ちょっとした車より高価な「かめぼう」だ。
VOL③~かめぼうの搬出~につづく