ayakonoheya’s diary

日々のことを、ありのままに

「先に死なないで」

2020.7.5(日)くもりときどき雨

 

 最近よく母が私に対し、「絶対私より先に死なないでね。あんた元気でおってや」と言う。私は何の保証もないけれど「わかったよ」と答えている。「わかる」ことが大事なのだ。

 ここで「そんなことわからんよ。事故や天変地異はいつ起こるかわからんし」などと真面目に答える必要はない。「おかんより先に死なないよ。約束する」そう返事すればいいのだ。そうすることで母は安心するのだから。

 

 私たち親子は互いに友達が少ない。だから友達と過ごす時間や体力を、すべて母(娘)にかけられる。いつも団子のように一緒にいて、本音を包み隠さず話している。

 

 若いころ友人関係で苦労したこともあり、私は「親友とかそういうのはもういいかな・・・」と思っている。親友って魔物だ。仲の良いときはいいけれど、関係性が崩れ出すと歯止めがきかない。

 

 私が今までと違う世界に行こうとすると、親友という肩書きを武器に「そこは行かない方がいいよ」とアドバイスしてきたり、「あのグループとは付き合わない方がいいよ」と言ってきたり。窮屈だと感じることが多かった。

 

 特に女性は、親友の付き合う男性や、仕事上のポジションや、幸せ具合に敏感だ。どちらかが突出すると、ガラガラッと関係性は変わる。常に横並びでいたいのだろう。親友だからこそ、足を引っ張る存在にもなる。

 

 というわけで、今は母と過ごす時間が格段に多い。特に最近は2人で大きな計画を遂行すべく動いており、この「夢の計画案件」でますます親子の絆が深まっている。ぜんっぜん楽しくない困難なことへの対処が主だが、2人でその困難に立ち向かい、ひとつひとつ処理していくことで、親子関係史上最高に仲良くなっている。

 

 「夢の計画案件」は、母がいるからこそ叶えたいことだし、母も私がいるからこそ頑張れることだ。だからこそ母は私に「先に死なないで」と、子どものようにすがるのだろう。

 

 現在65歳の母。「あと20年は元気に生きよう、そして夢の計画案件を堪能しよう」と話している。母は世間からみれば幸せそうに見えたかもしれないが、まったく幸せではなかったことを、娘である私はわかってる。だからこそ、母がこれまで感じてきた理不尽さや寂しさを払拭すべく、私はこの計画をやり遂げたい。

 母より先に死なないように気を付けながら、母を守ろうと思っている。