総理タイプか、一国民タイプか
2020.4.11(土)晴れ 小春日和 🌸桜も見納めの時期🌸
このところ毎日、新型コロナウイルスの対策について、国民、都民、県民に何らかのメッセージを送っている。各家庭に2枚マスクを配布することを決定したり、緊急事態宣言を発令したり、外出自粛を呼び掛けたり、事業者への補償を示したり。
その方向性や政策はさておき、率直にすごいなぁと思う。一般市民には到底できない仕事だ。
どんな方針を示そうとも、各方面から批判や反発が出る。それでも一番大切な「国民の命」という観点を軸に、刻一刻と変わる情勢に合わせて記者会見をし続ける。
戦時中の日本と違って、表現の自由が認められ、SNSも発達する今の時代。一国民はそれぞれ自分の立場から好きなことを言う。それでも心折れずに、堂々と「こうします」「こうしてください」と呼びかけ続ける。それが政治家で、トップに立つ人間なんだろう。
そういうことにやりいがいを感じ、生きがいを感じ、やり通す人々。私にはとてもできないことだ。決めてくれたことに従う方がいい。一国民であることに安堵する。
人には向き不向きがある。仕切るのが得意な人と、人についていく方が好きな人。
人と関わるのが好きな人と、一人でいる方が好きな人。
私は圧倒的に人ついていく方が好きな一匹狼だ。
実は4月から、自分にとって不得意な分野の仕事が増えてきた。
「人の上に立つこと」「人に仕事をふること」「多くの人と関わること」
プロデューサー。今の自分にとっては不釣り合いな肩書きだ。
「おめでとう!すごいね!!」と言われるたび、私はただただ気後れしている。
ひとつ指示するたびに、反対意見が出たり、文句が出たり、それを面白く思わない人がいたり。我田引水しようと図りにくる人もいる。
私は安倍総理や、小池知事とは違って、政治家的図太さが備わっていない。他人の細かな喜怒哀楽を感じ取りすぎてしまう性格のため、ときどきめまいがしてしまう。
「この仕事をあの人に振りたいけど、嫌がるだろうな」
「さっきあの子、不機嫌だったな」
自分がどうしたいかよりも、人の気持ちを先に感じ取ってしまう。
人の感情の荒波にさらされて、えぐられた岩のように佇んでいた。
そんなところに
「無事出産を終え、キャスターとしてまた歩き出しました~」という報告。
「ドキュメンタリーの制作ですごい賞を獲得し、会社を変わっても番組作りを軸に生きていきます!」という報告。
春は眩しいごあいさつメールが多くて、くらくらした。
この業界は好きだ。
その真っ只中にいて、私はずっと砂をかむような嫉妬にさいなまれている。