ayakonoheya’s diary

日々のことを、ありのままに

息苦しい日々

2020.4.10(金)くもりときどき晴れ

 

 金曜日、仕事帰りに彼のマンションに行くのが毎週のルーティーンだ。

1週間のうちに、嫌なこと、悲しいこと、苦しいこと、やりたくないこと、腹ただしいこと・・・色々ある。

 だからこそ金曜日、彼のところに疲れ切った体と気持ちを持ち帰って、美味しいものを食べる瞬間だけが至福のひとときだ。

 

 今夜は私のために仕入れてくれたトリュフチーズがあるようだ。ワインを傾けながら、トリュフチーズをいただく・・・。脳みそを温泉につけるようなまったりした時間を過ごす。想像するだけでわくわくするが、今の時代、そんなことをしている場合じゃない気がしてきた。

 

 「コロナが終息するまで、私、行くのやめるわ」と宣言する。

 

 彼は「えっ?」と驚いていたが、私は決めていた。

 

 「絶対に行かないわ。今、私は元気だし、味覚も確かだけれど、もし感染していたとしたら、あなたに移す可能性がある。万が一あなたが倒れるようなことがあったら私は重罪だ。ちょっとならいいか、という気持ちこそが、感染爆発につながるんだ。寂しさは命に代えられない」ときっぱり言い放った。

 

 私のあまりの強い決意に彼は「わかった」と答えていた。

 

 私は自分のすべての行動履歴を、正直に答えられる行動しかとらない決意だった。それでかかってしまったらそれは運命だ。しかし、自分の不注意で感染したり、迷惑をかけたりはしたくない。仕事以外はすべての予定をキャンセルした。仕事が終わればさっさと一人暮らしのマンションに帰って一人で過ごす。GPSをつけられ、監視カメラに見張られているんだ、という意識をもって行動していた。

 

 たまに母から夕食をもらうことがあるが「お母さん、マスクして作ってよね。つばの1滴も料理に入れないでね」と、もらう立場を忘れたような口のきき方をしてしまう。

 

 私はいつもは潔癖症というわけではないのだが、今回ばかりは命と感染がかかっていると思うと敏感にならざるを得なかった。

 

 これを書いている時点で、石川県の感染者は104人。