10年分の日記が消えた VOL①
2019年12月27日(金)晴れときどきくもり
過去10年分の日記が消えた。
その衝撃たるや、涙も怒りも悲しみも超えた「無」の境地。
えっ・・・?と思ってから、その事実を受け入れられず「無」になった、
という表現が1番近いかもしれない。
友達が少ない私だが、魂の半分をゆだねた友人がいる。
Cちゃんだ。彼女とは「共犯」に近い関係を10年近く続けてきた。
私たちは書くことが好きで、29歳のときあるブログを作った。
2人にしかわからないパスワードを設定し、そのブログの中に日々の出来事を
書いていくというものだった。
全世界に公開する記事というより、2人だけしか見られない
デジタル日記帳といったほうが正しいかもしれない。
そこに日々の出来事さえ記しておけば、しばらく会わなくても互いの近況がわかり、
すぐに「あの件のことだけど」とか「この前書いてあったあのこと、くわしく聞かせて!」などと大いに盛り上がった。
何時に起きて、どんなテレビを見て、夕食に何を食べた、という箇条書きの日もあれば、大恋愛にもがき苦しみ、あのとき彼は何と言って、それに対して私はどう言った・・・などという会話起こしの日もあった。
そこに書いてある秘密が漏れたことはない。このブログを書くとき、それは2人の中の
コンプライアンスとして取り決めてた。ブログを続ける年数が増えていくたびに、2人の信頼関係も深まっていった。
どんなに苦しいことがあっても、パソコンを開き、2人にしかわからないパスワードを入れ、そこに何か書くとき、私たちは自由だった。
人に読ませるために整理して書かれた文章ではない分、リアルだった。
今は2人とも働いていて、彼女にはそれに子育てもプラスされていて、日々生きることに必死だ。その合間に色んな事を書き込んでいた。いつか仕事や子育てが落ち着いたときに、2人でその日記を読み返すことを楽しみにしていたからだ。
その日記が10年分、さっぱりと消えたのだ。
消えたことを知ったのは、2019年12月27日(金)13:00ごろ。
大掃除の合間に「ブログでも書こうかな」とパソコンを立ち上げて、お気に入りから
ブログを立ち上げようとした。が、いつもの私たちのページが開かず、
「Yahoo!ブログ終了のお知らせ」という文字が飛び込んできた。
そして次のように記されていた。
2019年12月15日をもちまして、Yahoo!ブログのサービスを終了いたしました。終了に伴いまして、これまで投稿いただたブログ記事や画像は削除いたします。
13年間、Yahoo!ブログをご利用・ご愛顧いただき誠にありがとうございました。
えっ?ええっ!?!?
私は大パニックになり、言葉を失った。
10年分の日記が消えた VOL②に続く