「私はみんなに嫌われているんです」
正月、いつもの占いの先生のところに行くのが母と私の恒例行事だ。
通うようになって、もう25年ほどになる。
じっくりと個別に占ってほしいことがある場合は予約をして訪れるが、正月の占いは挨拶がてら顔を見せて2~3分お話をするというシステムである。
しかし、毎回良いことばかり言われるわけではないので緊張する。
あるときは「私と一緒になりたいという男性がいるが、どうしたらよいか」と聞き、「あなたのことを好きと言いながら、この男にはまだ切れていない女がいますよ」と言われたり(実際に切れておらず、巻き込まれてひどい目にあった)、あることを遂行したいという夢を語ったときに「このまま遂行すれば、それをよく思わない〇〇と××があなたを潰しにきます」と言われたり(いま思ってもそれを断念してよかった)私にとっては転ばぬ先の杖のような存在になっている。
ただ、自分で「こうしたい!」という強い意志があるときは、占いで出鼻をくじかれることもある。自分の思いの後押しとなることを言われるとやる気が出るが、そうでないときは、そのとき抱いた熱い思いを封印することにもつながる。まあ、占いを無視して自分の意思を尊重することだってできるが、それはそれで大きな勇気を要する。
いつも「自分の思いに沿うような、素敵なアドバイスがもらえるといいなぁ・・・」と思うが、そんなうまいわけにはいかない。先生は忖度なしにバシバシと降りてきたことを言うので、自分の思いと真逆のことを言われることも多い。
「こうすればいいかもしれませんねぇ」というやんわりした言い方ではなく「いいのか、悪いのか」はっきりと断言されるので、力強くもあり怖くもある。
正月の占いは個別予約とは違うので、多くの人が列を作る。一人2~3分ずつ、今年の願いを話したり、そのとき抱えている悩みをこぼしたりする。小さな事務所に整理券を持った人々がごちゃごちゃと集うので、他人の話が聞こえることもある。プライベートな話はちゃんと先生も小声でしているが、「鬱治ったね、いい顔してる」とか「転職しないで今はふんばりなさい」とか「年をとると体も痛いけど心が痛いのよ」とか、その程度のことは聞こえてきて、少しショーのようになる。みんなその先生を頼ってきている、ということは同じなので、多少話の内容が漏れてもいいというアナログチックな感じで、先生との挨拶が進んでいく。
順番をついてからおよそ1時間15分後、母と私の番になった。
母は直前まで「今年は特に聞きたいこともないから、ちんと座って、先生の言うことを黙って聞くわ」と言っていた。
先生は母の顔を見ると「マンション建ててよかったね。あんた、お金あるね。お金に困らないね~」と、母の経済状況の安定を口にした。「この人はお金に困らない人なんだ―」ということが人々に知られていく。
しかし母は、先生の言葉をさえぎってとんでもないことを口にした。
「お金とか、そんなことはどうでもいいんです。それより・・・」
「なに?どうしたの?」
「私、誰からも愛されていないんです。みんなに嫌われているんです」
さすがの先生もぎょっとしている。私もまあまあびっくりした。
「みんなって誰かね?この子もかね?」
先生が私の顔を指す。
母は「そうです。私は子どもからも実の親からも嫌われ、友達もいないんです」と言うではないか。
人々の視線が母に釘付けになっているのを背中で感じる。
先生は静かに口を開いた。
「もうみんなね、この子もね、自立しているんです。親がああだこうだいらんことを言うては駄目なんです。あの男がどうやとかこうやとか。あんたはいらんことを言いすぎる。子どもが話してきたことだけを黙って聞いてあげればいいのに、あんたは質問をしすぎる。そんなの子どもは嫌がるんです。うるさいんですよ。いらんことを言わずに、子どもの話を黙って聞いてあげて、一緒にごはんを食べていればいいんです」と。
私は先生と目を合わせ、大きく頷きながら聞いていた。
普段私や妹が口をすっぱくして言っていることを改めて先生に指摘され、母もおかしそうに笑っている。
そうだ、そうだ、その通りだ!
先生、もっと言ってやってください!!
母はいつも「私は嫌われてる、友達もいない」と被害者ぶるのだが、その元凶は紛れもなく自分にあるのだ。
この前も妹の家に行っていらんことを山ほど言ったようで、妹も大層憤慨していた。「おかん、空気読めなさすぎる!」と。
3姉妹ラインという、母、私、妹で作るグループライン上でも、妹がちょっとこぼした子育ての不安について、母は「それはどういうこと?」「そのとき孫はなんて言ってた?」などと矢継早に5つほど質問をした上に、不安をあおるようなことを言い放っていた。
妹は「もういい!お母さんに相談したのが間違いやった」と書き込んでいて、私も妹を気の毒に思った。
実家に帰れば帰ったで、実の母にも生き方やお金の使い方に関して文句を言いまくっている。確かに祖母はケチだしお金の使い方もうまくない。「今ならフライパンがついてきてお得です!」といううたい文句に惑わされてトースターを買い、でも置く場所がないからといって封を開けず、物が捨てられない性格のため汚い家に住み続け、やっていることはトンチンカンだ。
しかし母は「こんな使いもせんフライパンに釣られてトースター買って!買ったなら使えばいいものを、置く場所がないからって封も開けてないし!だいたいこんな広い家に住んでトースターを置く場所がないって、おかしいんじゃない?いらんもの捨てんからやろ?畑に行く暇があったら断捨離して、きれいな家で新しいトースターを使えばいいものを!」と、ぶちかまし、実の母にも「もう家に来てほしくない」と、うるさがられている。
母のいうことは正論ではある。その通りだと思う。
私もそうすればいいと思うが、あえて口にしない。90年近くそうして暮らしてきた祖母の頑固さは変えられるものではない。
私は段ボールに入れられたままのトースターを見て見ぬふりし、断捨離ができない祖母に対し「断捨離せよ」などとは言わない。
今回の帰省中にも実家に寄ったが、祖母は「忙しくて、片付けが中途半端でね」と言ってきた。別に改めてそんなことを言わなくても、いつだって実家は片付けが中途半端で、ごちゃごちゃしているのだ。いつも母に叱られているから、私が何か言う前にそう言ってきたのだろう。私は「そりゃそうだわ。忙しいなら仕方ないわよ。元気が一番」と言ってあげる。
すると祖母はものすごい笑顔になって、私に正月料理を勧めてくる。私は「こんなすごい料理を作っていたら、そりゃあ、断捨離どころじゃないわよね」と言ってあげる。
すると祖母の笑顔は倍増し、「これも食べるか?」「あれも持っていくか?」「もう帰るんか?寂しいねぇ。まだおればいいがに」とまで言うのだ。母に対しては「お前はうるさい。もう来んでいい」という祖母が。
実は私も年末の帰省の直前に、今後の身の振り方をどうすべきか、大いに悩む出来事に遭った。年末恒例のカニを食べる会で母に話そうとは思っていたものの、「変な相槌打たれてムカつきたくないな・・・」という思いが先立った。
私は「おかん、私は今から大事なことを話すけど『あんたどうするつもり~?』とか変な相槌打って私の心を乱さないでよね。それができないなら話さないけど」と、前置きをしてから話し始めた。身内なのに、要注意人物なのだ。
カニを食べながら、私は慎重に自分の迷いを打ち明けていく。母は直前に注意を受けたにも関わらず、私の神経を逆撫でするような質問を口にした。くぅ・・・。悪気はないけれど、思ったことを不躾に口にして嫌われる人っている。
でも空気が読めない人は、読めないからこそ、苦しいらしい。何がNGなのか分からないから、自分でも怖いのだという。そうして不用意に口にした言葉で人を傷つけ、人を苛立たせ、人に嫌われ、自らも傷んでいく。
音もなく降りしきる雪を見つめて、私は年末、ある高揚感に包まれていた。人生の大きな岐路に立たされていたとでもいうべきだろうか。犠牲も出るけど、そんな道もあるかもしれない。大きく舵を切ってみようか―。
その道を選べば、2022年の過ごし方が変わってくる。私はここ1週間、その準備運動というか、準備妄想をしていたと言っても過言ではなかった。
私は先生に自分の迷いを打ち明けた。
先生はスパッと「そっちは駄目!現状維持の方がまだいい」と言い切った。
「ああ、そうなのか・・・」私はがっくりした。
新たな道を選べば、年始からもろもろ忙しく準備を進める予定だったが、もうすることがなくなった。気が抜けた。急にお腹が空いてきた。
金沢中央卸売市場前の商店街にある「金沢牛たん食堂10&10」に入る。
ケチりたくなかった。
100gではなく、120gの、通常の牛タンではなく、厚切り上牛タン定食を注文した。
分厚いタンをほおばりながら、心を整えていく。
ドライブに入れかかっていたギアを、ニュートラルに戻す。
走り出そうとしていた気持ちにブレーキをかける。
長い目で見るときっとそれが正解なのだろうけれど、今はとても空しかった。
嫌われ者の母が、私の占いの結果について自論を述べ始める。
実に気持ちよさそうに。滔々と・・・。
「また~!おかんの意見は聞いてないやろ!?今、先生に言われたばっかりやろ?今、叱られたばっかりやろ??何でそんなこと言えるん?そういうとこ!そーいうとこ!!」
私に叱られ「やっちまった」という顔をしている母。
「もー!ムカつくから、ブログに書くし!!」と言い残し、私は富山に帰ってきた。
2021年にした100のこと
2021年を漢字1文字で表すと「動」だった。
雪が降りしきる2月4日、元彼と住んでいたマンションから、祖母と母がオーナーとなる新築マンションへ引っ越した。やれやれと落ち着いた矢先に富山支局へ異動となった。新しい環境でも気持ちよく暮らそうと、観葉植物を育てたり、熱帯魚を飼ったり、今までやってみたかったことを生活に取り入れた。富山でロケをして金沢で編集するという、これまでにない働き方にも挑戦した。年末には自分のデブさ加減に嫌気がさし、断食を決行した。
その後加圧トレーニングや週に2回のプール通いで体を動かし始めた。
作家・浅見帆帆子さんのYouTubeを見ていたら、「新しい年を迎える前に、今年やった100のことを書き出すことをおすすめします」と言っていたのでやってみることにした。
「30~50個くらいは思いついても、100個なんて無理~!」と思う人も多いらしいが、「お気に入りのお総菜屋さんを見つけた」というのも立派な1項目になる、とのことだったので、楽しみながら書いてみることにした。そうやって書き出してみると「この1年色々頑張ったじゃん♪」と自己肯定感が上がるらしい。では書き連ねてみます。
【新築マンションに引っ越し】
1:2月4日(木)夕方から夜にかけて、雪の中怒涛の引っ越し
2:ラグ、布団、テレビ台など不要な家具をリサイクル券で処分
3:かめぼうを無事返却
4:ダイソンの掃除機を購入 コードレスは快適
5:西野健太郎さんから新居用の絵「月の下で」を購入 湖と馬がモチーフ
6:母の誕生日用に、寝室に飾るフクロウの絵をプレゼントする
7:粕谷千春さんの花の写真(和紙プリント)と藤城清治さんの絵画を額装
8:高商ハウジングさんから新居のお祝いに壁掛け時計をいただく
【富山に異動】
9:送別の品に「写ルンです」で撮影した写真たちをプレゼントしてもらう
10:富山の住まいを決める 第1期のときに憧れていた眺望の良いマンションに
11:富山異動用の家具をそろえる 照明やパソコンデスクなど
12:観葉植物を育て始める
13:熱帯魚を飼い始める
14:立体駐車場に慣れてきた
15:高速の運転にも慣れてきた
【恋愛】
16:新年のあいさつにネックレス×イヤーカフのセット!びっくり!!
17:合鍵を2つ渡す 金沢のマンションと富山のマンション用 信頼あってこそ…
18:春先、富山マンションのベランダで揚げ物を食べる
19:右手薬指の指輪 サプライズで2連プレゼントしてもらう
20:誕生日には紫の石のネックレスを
21:夏休みは金沢のマンションを拠点にのんびり
22:Gotoトラベル利用で志賀町別荘の旅 ハートランドヒルズ能登
23:珠洲の酒蔵「宗玄」のトンネル貯蔵庫を見学
24:2人で牡蠣を半斗缶分食べた
25:クリスマスプレゼントはクリニークのリップ5本セット
26:年末はふるさと納税の海鮮を「アミ焼大将」で焼いてもらった
【金沢で作った企画】
27:1月5日(火)OA おせちに飽きたらたこ焼き
28:1月19日(火)OA ヒスイ海岸とたら汁街道を巡る
29:2月2日(火)OA すごいぞ!梅のポテンシャル
30:2月25日(火)OA お一人様焼き肉のススメ
31:3月2日(火)OA ヘルジアンウッド
32:3月17日(水)OA 魅惑の罪悪感メシ
【富山で作った企画】
34:6月15日(火)OA 新緑の黒部峡谷
35:10月5日(火)OA フクロウと触れ合う癒やしカフェ
36:10月12日(火)OA 五箇山和紙の里
37:11月9日(火)OA ドキドキの開運祈願 庄川水記念公園
38:12月3日(金)OA 名作「人間失格」の舞台裏
【写真関係】
39:アメイジングトヤマのポスターに軽トラに寄りかかる女性の写真が採用される
40:エアリーフローラ2021 インスタ投稿でエアリーフローラが届く
41:これまでと違った視点・モードで写真を撮り始めた(個展用に挑戦)
早朝の海、魚津水族館、富山中央植物園など
42:フォトキト「ステイホームに咲く」準グランプリ受賞
43:鞍月公民館の文化祭に参加「米寿の夏」「食べ頃どれかな?」
44:マンションのロビーに季節ごとに写真を展示 水族館、クリスマス、おとぎ話
45:ふるさと納税 泉佐野市の返礼品でレザーフォト5枚を注文し飾る
46:ミュゼふくおかカメラ館 ワンダーフォトコンテスト応募「水中宇宙」
47:富山城址公園フォトコンテスト 3枚応募
「浮かぶ願い」「収束への煌めき」「シンメトリーキャッスル」
48:環水公園フォトコンテスト応募「ステージ3の記憶」ほか
【作品制作】
49:短編小説「おおきな手のひら」9月執筆 未発表
50:短編小説「キミと太宰」11月執筆 未発表
51:短編小説「魂の恋人」12月執筆 未発表
52:短編エッセイ「土蔵で見つけたひいばあちゃん」公募
【展覧会・コンサート鑑賞】
53:イナガキヤスト×射水市 ♯控えめに言って最高です @クロスベイ新湊
54:マイフェアレディ21 かわいい朝顔と写真展 朝顔博士・中村いさむ
@セレネ(黒部市)
55:高崎勉写真展「いま君はどこにいるの」@ミュゼふくおかカメラ館
56:岩合光昭写真展「ねこづくし」@ミュゼふくおかカメラ館
57:ブルーインパルス写真展 立山モンタロウ @エール(滑川市)
58:野々市市市制施行10周年記念-中乃波木 読む写真展 い〜じ〜大波小波の世界-
@学びの杜ののいちカレード
59:オールドノリタケ×若林コレクション @石川県立美術館
60:Lam Live 「傘音色レコ発の巻」 @MUSIC BASE EXTREME
【印象に残った美味しい物たち】
61:ビストロヨシダ 母とランチ 美味しくて雰囲気が上品
62:パスタハウス ボルカノ 菜園バル店 ドレッシングの種類が豊富
63:フルーツサンドにハマる 「果々」「恋が愛に変わるとき」など
64:レストランオータニ カニクリームコロッケ定食
65:キャセロール マスタードソースのハンバーグステーキ
66:リトル上海 冷し豆乳担々麺
67:バターレバーバインミー(残念ながら閉店してしまいました)
68:ほの字 ハンバーグにフォアグラを載せて食べた
69:ねこのいる占いカフェnil ねこがひざに乗ってくる、フードも美味しい
70:ホテル日航金沢6階「弁慶」炉端焼スペシャルディナー(期間限定2万円)
フォトキト準グランプリ記念で母と
71:総曲輪ベース チーボ ヴェラ パスタ しらすのアンチョビオイルソース
ふらっと入ったお店だったがすごく美味しかった
72:とんかつぶんぷく金沢ベイ店 林豚リブロースロースかつ定食
73:おり~ぶ ランチの友とよく通った
74:一心 期間限定 白エビラーメンを何とか期間内に食べられた
75:金沢近江町市場内「市の蔵」 母とカニ忘年会
【仕事関係】
76:朝日町・笹川の水力発電企画に着手できた
77:ダイオウイカと寝たカットが30周年の番宣に使ってもらえた
78:SDGs企画を始動させた 年明け1月末のオンエアを目指す
79:自撮り棒を購入した 仕事でのスマホ撮影もスムーズに
80:スマートフィード(スマホでの動画を送るシステム)を使いこなせるようになった
【健康・ダイエット】
81:12月初旬 3日間断食がうまくいった
82:加圧トレーニング再開
83:富山市民プールに週2回通い始めた
84:スパ・アルプス(全国的にも有名な富山のサウナ)デビューをした
【そのほか】
85:福袋を6袋買った 服5種、鍋1種
(2022年は買わないつもりなので今年が最後)
86:いしかわ特別支援学校でコミュニケーションの講師をした
87:テレビでYouTubeが見られるようになった
88:朝日町「かがり火の夜桜」を初めて見た
89:取材での出会いがきっかけでイグアナが好きになった
90:新潮文庫の100冊 キュンタうちわを全4種類揃えた
浅井リョウさんの作品にハマり始めた「桐島、部活やめるってよ」「何者」など
91:新型コロナワクチンを2回打った
92:祖母の誕生日にガウチョ的なパンツを2本プレゼントした
93:妹にロイズのチョコレート約7000円分プレゼントした
この時期つまらないことで大ゲンカもしたが問題なし
94:仕事後に新湊方面へ夜ドライブに行った
95:スナイデルのワンピースを購入した ピンク、黒など
96:カネボウのミラノコレクションを予約購入した
97:マンションの音問題について1歩前進した
98:本音や何気ないことを話せる友人が新たに2人できた
99: 12月末、今後のことについてゆっくり考えるきっかけができた
100:よく笑い、心身ともに健康で過ごせた
白えびのお客様
ケーブルテレビが好きだ。地元の情報をぐりぐり掘り下げてくれる。
先週はラーメン・焼きそば特集を放送していた。何の気なしに見ていたのだが、その中のひとつ、「ラーメン一心」の白えびラーメンに釘付けになった。
一心というお店は、確かに人気のラーメン屋さんだ。いつも行列ができている。
昔、東京からのお客さんをランチにお連れしたら、彼らは翌日新幹線に乗る前に、もう一度食べ収めに行ったくらいである。
コク旨醤油、あっさり煮干し、越後の味噌、辛味噌、まぜそばがあるが、コク旨醤油が一番の人気だ。
さて、白えびラーメンだが、ケーブルテレビの映像を見て度肝を抜かれた。
スープにはもちろん大量の白えびが入れられ、煮込まれている。
それだけではない。香味油にもこれでもかというくらい白えびが使われていた。
スープと香味油の両方から白エビを感じられるなんて、とんでもないと思った。
観光客用に、普通のラーメンに白えびをちろちろっとトッピングした、という代物ではない。
白えびってまあまあ高価なものなのだけれど、惜しみない量を使っているのが画面からわかった。
12月中の期間限定と聞いて焦る。白えびがなくなったら、販売を終了するらしい。
白えびよ、まだいてください。私を待っていてください。
私はテレビを見た翌日、すぐに一心に向かった。
しかし、券売機の「白えびラーメン」ところだけに「申し訳ありません!スープ作りが追いついていません。夕方からは提供できます」と書いてある。
券売機のそばでは、女性の店員さんがてきぱきとお客さんの名前を聞いたり、席に案内したりしていた。名前を聞かれた私は「きょうは白えびラーメンが食べたかったんですぅ。また来ます」と言って店を出た。
夕方行こうかなとも思ったが、その夜は大寒波がくるということで、寄り道せずに帰ることにした。
翌朝、富山市の平野部で初の積雪となった。私は朝から雪取材に追われ、体も冷えていた。午前10時半ごろ、店に電話をしてみる。男性が出た。
「きょうのランチタイム、白えびラーメンあります?」「はい!ありますよ」
心が決まった。私は昼ニュースをチェックした後、再び徒歩で一心に向かった。
券売機に並んでいると、女性の店員さんから「あ、白えびの・・・」と言われる。
ぎゃあ。私が白えびラーメンを狙ってきたことがばれている。
思い当たることとすれば・・・
きのう「また来ます」と言った私の顔を覚えていたのだろう。
しかし常に7~8組待っている大繁盛店で、きのうちらっと来た私のことを覚えているのだろうか。マスクもしているし、きのうと服装も違うのに。
だとすればさっきの電話も、私からの電話と悟られている気がする。
男性(店主かな…?)が、「白えびラーメンの問い合わせがあった」と女性店員に伝え、彼女は「きのうのあの人だろう」と、私のことを思い浮かべたかもしれない。
「強烈に白えびラーメンを求めてやってきたお客様」と認識された私は、券売機で白えびラーメン980円の食券を買った後、小雪が舞う外のベンチで順番が呼ばれるのを待った。
名前が呼ばれ、カウンター席に案内される。
となりのお客さんは醤油ラーメンのようだ。
ラーメンの前に、「スダチ生姜」なる小皿が提供される。
「最後の方にスープに入れて味変を楽しんでください。さっぱりしますから」と言われる。
そしてお待ちかねの白えびラーメン。スープは透き通っていてとてもきれい。
が、一口飲んだ瞬間、口の中が白エビパラダイスになる。
エビ、エビ、エビ・・・。
こんなにおとなしい顔をしているスープに、甲殻類のうま味、香ばしさが溶け出している。ふわぁ・・・おいしい・・・!
麺は中太でつるっとした食感。上品な「和」の世界が広がっていくイメージ。
ここで第1の味変。
スープに浮かんでいるのは、味噌とえびの粉から作った「えび団子」である。
これをそろそろと溶かしてみる。
ふわぁ・・・。コクが深まる。
そして第2の味変。
「スダチ生姜」である。
これもそろそろと溶かしてみる。
ふわぁ・・・。確かにさわやか。
しかし白えびのスープがしっかりしているので、最後まで基本の味はぶれずに楽しめた。最後にまったく違う味になったら嫌だなと思ったけれど、白えびは負けなかった。
めったにないことだが、私はスープをすべて飲み干した。
女性店員さんが私に声をかけてきた。「いかがでした?」
「美味しかったです。スープ、飲み干しちゃいました」
私は、空になったどんぶりを得意げに見せた。
どんぶりの底には「ありがとう 一心」と書かれていた。
夕方の全国ニュースでは、私が自宅から徒歩通勤する様子が映し出されていた。
朝起きて思いついて、スマホで撮った映像だ。おお・・・。採用されている。
自撮り棒がないので、自撮りの顔がアップ過ぎて驚く。
スマホで見ていた時はこれでいいわと思っていたが、テレビ画面の半分が自分の顔に占められ「わぁ!私、デカイな!!」と驚く。近々自撮り棒を購入しようと心に誓う。
さて、あす19日(日)は、私の一番好きな番組M―1グランプリだ。
お笑い×人生変わる本気の戦い×生放送という、ドキドキなエッセンスが詰まっている。敗者復活戦からじっくりと見よう。
きょうも濃い一日だった。
白えびのお客様は、ベッドに入って1分後にかくっと眠りに落ちた。
大嫌いな姫女(ひめおんな)
その人のスーツの着こなしは別格である。
ファッションに明るくない私が見ても、一目で「イイモノ」だとわかる。
今は量販店のスーツもすごくモノがいいし、みなさんきれいに着こなしている。
が、やはり15万円クラスのブランド物は「やっぱり違うな」と思う仕立てである。
彼はそうしたクラスのスーツをいつもさらりと着こなしている。
「これくらいしか(ファッションくらいしか)楽しみがないので」と言いながら。
コーディネートされたシャツやネクタイを見ても、美しくてため息が出る。
「素敵ですね。いつも」
「中田さんの方が、華やかで、都会的。お姫様っぽい。」
「!!!!!!!!!!」
褒めの10倍返しである。
お姫様、お姫様、お姫様・・・
初めて言われた言葉を反芻して、私は膝から崩れ落ちそうになった。
思えば私の会社員人生は、それと対極にあったと言わざるを得ない。
どの年代でも、どの業界でも、「姫扱いされる女」というのは存在する。
みんながその子の言動に一喜一憂し、みんながその子の笑顔ほしさに媚びへつらい、みんながその子の機嫌をとろうと顔色をうかがう。
はっきり言おう。大嫌いなタイプだ。
そんな女たちは至る所にはびこっているのだが、その最たる例を見たことがある。
彼女は鬱だか何だかで、長期間会社を休んでいた。にも関わらず、その間に男性と旅行をしていた。SNSか何かでばれたらしい。
私からすればけしからん女なのだが、上司も、先輩も、友人も、みんな彼女には何も言えないようだった。そんな空気感だった。
ある会合で彼女を見たが、周りの女性が彼女のことを「姫」と呼んでいたのには驚いた。姫は、「姫」と呼ばれることに何の抵抗もない様子で酒を飲み、料理を食べ、その場で一番偉いかのように振る舞っていた。
ぐがーーーーー!
私は心の中でゴジラのように火を噴いた。
死んでも「姫」と呼ぶものかと思った。それが、病気だろうが鬱だろうが点滴を打って会社に出向き、誰にもやさしくされないまま仕事を続け、ここまでのし上がってきた私のプライドだ。何かあれば苗字にさんをつけて呼ぼうと思っていたが、存在自体に嫌悪感を抱き、言葉を交わすこともなかった。
こうした威圧感タイプの姫もいれば、周りが放っておかないふんわりタイプの姫もいる。
ふんわりタイプの姫は、自分が可愛がられていることをよーく分かっている。
キュートな容姿、抜けている言動、ひがみ根性がないので性格は割といい。
人が汗水たらして敷いたレールの上をきれいなヒールで歩き、うふふと笑うだけで褒められる。
ぐがーーーーー!!
もうキングキドラになるしかない。
まあ何にせよ、私は「姫」なんて呼ばれたことがない。姫扱いの経験も皆無だ。
先輩・上司からは苗字を呼び捨てにされ、後輩やスタッフからは「なかっさん」というドダサい呼ばれ方をしている。(※気に入っているのでこのままでいいのだが…)
「中田さん」を呼びやすくしたら「なかっさん」になる。当たり前のように受け入れていたが、誰がはじめにこう呼んだのだろう。まったくエレガントさがない。「姫」からは大きくかけ離れている。
気のおけない女友達と話すとき「なんか私の人生、うま味がないんだよね」と言うことが多かった。
「うま味ねぇ・・・」友達はあまりピンときていないようだった。
そう。私は長年「うま味がない」という表現をしてきたが、それはつまり姫扱いされず、私の顔色を気にする人もおらず、なんか人生損しているような気がする、ということを言いたかったのかもしれない。
そんな私が43年間生きてきて初めて「お姫様っぽい」と言われた。
「華やかで都会的」という枕詞付きである。
その相手が、15万円のスーツを着こなす物静かでクレバーな男性だった。
興奮と喜びからくる大量の鼻血出血により、倒れる一歩手前である。
泥水をすする思いで仕事をしてきてよかった。
理不尽に怒られ、雑に扱われ、姫女(ひめおんな)に心の中で火を噴きながらも、真面目に生きてきてよかった。
なかっさんは今、幸せだ。
断食明け 1週間の記録
【12月7日(火)雨 普通食1日目】
断食と回復食の6日間があけ、きょうから普通食再開。
この前誘ってくれた記者さんとランチに行く。
うどん屋さんが満席で、居酒屋さんが満席で、いつもの定食屋さん「おり~ぶ」に行くことにした。
週替り定食の「バターチキンカレーとサラダ」をオーダー。ごはんは小盛りで。
久しぶりのカロリーの高い食事に、テンションが上がる。
ルーが光っているように見える。キラキラ、キラキラ。カレーに輝きを感じたのは初めてかもしれない。
久しぶりに「お腹いっぱい」という感覚を味わい、夕食は抜こうと決心する。
「一日の中で摂取カロリーを調整しよう」という思考ができたこと自体、大きな成長だ。
【12月8日(水)雨】
代休の一日。
今のところ、水曜日と週末(土日のいずれか)の週に2回、プールデーにしようと思っている。
加圧トレーニングをしてから15:00頃おでかけ。
紀伊国屋書店で新潮文庫「クリスマス・ストーリーズ 一年でいちばん奇跡が起きる日」を購入。浅井リョウさんら6人の作家の競作。今の季節にぴったりかなと思い、読んでみることにする。
富山大和で予約していたカネボウ・ミラノコレクションのパウダーを購入。
フライングタイガーコペンハーゲンのノルウェーフェアでカラフルな折り紙350円、
クリスマスリース400円、トナカイ1200円も買う。
GUで冬用の普段着も。
買い物を済ませてから、富山市民プールへ。
18:00~19:00 1.2㎞泳ぐ。
FNS歌謡祭、斉藤由貴が色っぽい。
いわゆる「美魔女」と呼ばれるような不自然さもなく、ただただきれいでびっくりする。乃木坂の子と交互に映るのだが、若い美しさと、妖艶な美しさの競演。
【12月9日(木)晴れ】
手土産のかりんとうを買いに「凜や」へ。
隣にから揚げ専門店「から好し」があり、そんなつもりはなかったのだけれど吸い込まれるように店に入ってしまう。
ヤンニョム唐揚げもも2個、胡麻にんにくダレもも2個を購入。
夕食はキャベツの千切りと、から好しのから揚げ。泣きそうなくらい美味しい。
から揚げは絶対もも派だ。ムネ肉は淡白だが、もも肉はむちむちしている。
【12月10日(金)くもり】
アルビスで刺身など買う。最近、夜ごはんが毎日楽しみ。
12月11日(土)晴れ一時朝雨
7:50 社発
9:00 朝日町へ、クリスマスギフトチューリップの取材
取材後、納屋でいただくコーヒーの美味しいこと。会話の楽しいこと。
帰りにMカメラマンと、黒部そば屋へ。天ざるセット1200円 十割そばうまし。
母から「年末のカニコースの予約が取れない。どうしよう」と、鬼のように何度も電話がかかってくる。
コロナが落ち着き、どのお店も満席だそうだ。
年末にカニのフルコースを食べないと、年を越せないと言わんばかりの母。
私としても、何とか母の気をおさめたいとは思うが、こればかりはどうしようもない。
23:30~24:00 加圧トレーニングをして、燃えた体で就寝。
【12月12日(日)くもりのち雨 明日は荒れるらしい】
16:15~16:45 加圧トレーニング
17:30~18:30 富山市民プール 1・2km泳ぐ。
帰ってきてお風呂とごはん。
野菜と国産牛のソテー 十割そば半人前(45g)
プールに行った日は、かつての部活終わりみたいにぐったりくる。
【12月13日(月)寒気 山間部では雪だが平野部は冷たい雨】
今年の漢字が「金」に決まった。
20:00「女芸人No.1決定戦 THE W 2021」を見ながら夕食
カボチャ、しめじ、国産牛のソテー、十割そば半人前50g チーズ2かけ ロイズチョコレート
【12月14日(火)晴れ】
8:00 朝から十割そば90gを食べる。この前黒部そば屋でそばを食べてから、そばに取り付かれているよう( ´艸`)
12:00 ランチの友に誘われて外食。南京千両の焼豚ラーメン830円
とんこつの強い匂い、白濁したスープという見た目からは想像できないほどのやさしさ。麺は中太でやわらかめ、とんこつスープも薄め、こってり好きの私には物足りないくらい。
【まとめ】
断食開始から2週間が経ち、食べ物をただただ胃に収めて満足する生活とはさよならした。
今まで本当にどうしようもない食生活をしてきたのだ。
ポッキーとポテチを交互に食べ「甘い」「しょっぱい」「甘い」「しょっぱい」の無限ループを楽しんだり、夜中の0:00過ぎに、にやにやしながらラーメンやパスタを茹で始めたり。
ちょっとでもお腹が空いたら、すぐに何か胃に入れるという生活が染みついていた。
今回の断食生活で、もうそういう無謀なことはしないでおこうと決心した。
ジム通いをしようかと思ったのだが、泳ぐ方が気分転換になるかもなと、家で30分間加圧トレーニングをしたあと、プールに行って有酸素運動をするというスタイルが定着しつつある。
富山市民プールが、値段の割になかなかのクオリティーなのだ。
1回(2時間以内)450円というリーズナブルさ。
家からの近さ。
1コースをひとり占めできる込み具合。
高めの水温設定で、体への負担も少ないこと。
監視員も数人目を光らせていてくれており、だらけることなくテキパキと泳ごうと思えること。
体重と体脂肪は、はっきり言って断食前に戻りつつある。
断食直後は2~3kg落ちていたが、普通食に戻してからはその状態をキープできていない。
ただ、基礎代謝が少しずつ上がってきている。体が燃えているのだろう。
体重がすぐに数字に表れないからと言って、ここで腐ってはいけない。
このままドカ食いをやめて、適度な運動を続けることで、おばさん腹になるのを食い止めたい。
2021年12月14日(火)20:00
回復食の3日間
【12月4日(土)雨 回復食1日目】
きょうから回復食。
朝食に玉子がゆを食べるのを、昨夜から楽しみにしていた。
美味しい。しみる・・・。
10:00 24時間ジム、エニタイムフィットネス富山二口店の見学に行く。
日曜とはいえ、朝の時間はそんなに混雑していなかった。仕事帰りに通う人が多いそう。
窓辺にランニングマシーンがずらりと並んでいる。町を見ながら走れる環境は気に入った。
会員になれば、無料で50分のパーソナルトレーニングもつけられるという。
確かに多くのマシーンのうち、どれをどう使っていいのか分からない。
最初はパーソナルトレーニングを予約してメニューを組んでもらおう。
もっと負荷が欲しくなったら、またパーソナルを入れてメニューを組み直してもらおう。
85%入会する気持ちが固まった。あすにでも入会手続きをしようかなと思う。
きょうは13:00から美容室の予約を入れているので、見学のみにした。
美容室では「いつもの感じで」と伝えて座るだけ。
毛量を減らし、毛先を揃えてもらうだけなので安心して身をゆだねる。
途中で飲み物を出してもらえるので、ゆず茶をオーダー。久しぶりの糖分が体に染み渡る。
かなり甘く感じ、「ほうじ茶とかの方が良かったかな…」と不安になったくらい。
さて。夜は何食べよう・・・と、「回復食」で検索する。
どうやら断食界では、回復食として「スッキリ大根」というものがメジャーらしい。短冊切りにしたダイコンをやわらかく茹で、ゆで汁と、梅干と一緒にいただくというもの。お通じが良くなるらしい。
が、これが私の口に合わないことこの上ない。
味がないというか、まずいというか。
みんなこんなものを、本気で神妙な顔をして食べているのだろうか。
「これは拷問に近いぞ」と、私は途中でダイコンとカボチャの味噌汁に作り換えた。
あすはいよいよジム入会かな。ちょっと疲れているけれど。
【12月5日(日)雨 回復食2日目】
11:30 きのうレトルトの玉子がゆが美味しかったので、きょうは自ら中華風玉子がゆを作ってみる。大成功。おかゆが好物になりそう。
「午後からジム行って入会手続きをしよう。でも面倒だな。でも今しなかったら、来週もっと行きたくなくなるよな・・・」などと思い、ベッドにごろんと寝転がる。
まさかこの何気ない動作が、方針転換のきっかけになろうとは!
寝室の壁には、魚津水族館で撮影した写真が飾られている。
自分で撮ったものなのだが、まあまあキレイだ。
水の中にいるような浮遊感を味わおうと、つい最近展示したばかりなのだ。
ふるさの納税の返礼品で、レザーに写真がプリントされている。
大阪・泉佐野市のブリージアという印刷会社にオーダーしたものだった。
壁には水族館の写真。横を向けば熱帯魚水槽。何だか無性に泳ぎたくなってきた。
「そうだ!プールに行こう」
私は早々にジムの入会を放棄し、「富山市 プール」で検索をし始めた。
「少しリッチなところでもいいかな」とも思ったが、手始めに富山市民プールに行ってみることにした。
プールに行く前に30分間、加圧ウエアを着て、腕立て、腹筋、スクワットを行う。
筋トレをしてからプールで泳ぎ、体を燃やそうという作戦だ。
17:00~18:00 富山市民プールで1.2km、泳いだり歩いたりする。
市民プールをなめていた。すっごくキレイではないか。いいプールだ。
プールサイドの秒針で、25mのタイムも計ってみた。
クロール28秒 平泳ぎ33秒 バタフライ45秒
後ろ向きでゴールする背泳ぎは、最後にプールサイドにぶつかるのが怖く、計測できなかった。
帰ってきてうどんを作る。エノキ、卵、ネギ、ワカメ入り。
金沢にいる友人のT記者から「金曜日の夕方ニュースで、太宰治展をリポートしてるの見ましたよ!わかりやすかったです。活躍する姿を見られて嬉しいです。仕事中にデスクの近くのTV見てたら、突然中田さんが登場したんで、ビックリしましたよ!早く富山で飲み会したいです。落ち着きそうになったらまた言います」とLINEあり。
仕事もトレーニングも頑張って、ご褒美時間も楽しもう。
運動をすると、気持ちがとても前向きになる。
12月6日(月)雨 回復食3日目
きのうLINEをくれたT記者が署名入りの記事を書いたというので読む。やさしく、きれいな文章だった。上手だなぁ。こういう感性もあるんだぁと思う。
お昼は手作りのおかゆをタッパーで持参。
この前家で食べたときは美味しかったのに、今回のは水分が少なくてパサパサだった。失敗!
きょうは20:30から臨時の記者会見があるので、その前に夕食を食べることにした。ローソンでさばの味噌煮、乳酸菌入りニンジンと枝豆のサラダ、チキンと豆のシーザーサラダを買ってきて食べる。回復食はきょうで終わり。
あすから美味しいものを、適正な量食べよう。夜中のドカ食いをやめて、運動も習慣化しよう。
こうして断食や回復食を経験すると、いかに「食」が人生の楽しみの大部分を担うものかと再認識する。私は食べるのが大好きだ。
ラマダン3日間
【ラマダン1日目 12月1日(水)雨ときどきくもり】
3日間の断食に取り組むことにした。
酵素ドリンクと、麦茶などノンカフェインの水分のみで過ごす3日間だ。
酵素ドリンクは、ナチュラルガーデンというメーカーのファスティープラセンタという商品で、7年前に断食ダイエットに成功したときも飲んでいた。
私はそのドリンクを強炭酸水で割って飲むことにした。
炭酸で少しでもお腹が膨れるように。飲み口がさっぱりと美味しくなるように。
断食のキツさがいかほどかということは、経験者として分かっていた。
多くの人は仕事に支障が出ないよう「週末断食」を取り入れているらしいが、私はあえて「デイリー断食」にした。
週末、家で一人断食なんてつらすぎる。逆に誘惑が多いと思う。
仕事の日にする断食の方が気が紛れる。
やるべきことが目の前にある方が「お腹空いた~」ということばかり考えなくて済む。
スタッフがお昼ごはんを食べていても、特に羨ましいとは思わなかった。
「私はやりますよ」という強い意志があるため、「どうぞどうぞ、目の前で何でもお食べください」という感じだ。
そして夕方、「断食ハイ」のような状態を経験した。「このまま食べなくても大丈夫~!」というような前向きな気持ちに包まれたのだ。
断食生活は思いのほか好スタートだ。が、そこに大きな誘惑が訪れる。友人からトルティーヤとホットドックの差し入れが入ったのだ。
ぐおーーー!なんてことだ。
食べたいけれど。今すぐ食べたいけれど。
「すいませんっ。実はきょうからラマダンで・・・」
「えっ、ラマダン!?大丈夫なの?無理しないでよ」
私は「ラマダン明けの楽しみにしますね」と、それらを冷凍した。
1日目からくじけてはいかん。
断食1日目、どうにか誘惑に負けずに過ぎていった。
【ラマダン2日目 12月2日(木)富山で未明に初雪観測 雨 】
断食の効果がわかりやすく体に表れてきた。
私の体に最初に起きたのは、下痢である。何も食べていないのに下痢。
お腹を壊してしまったというよりは、体中の毒素が体外に排出されているというような感覚だ。
軽やかに断食に興じる私に対し、カメラマンのM氏が「驚くほど順調ですね」と言う。
「お腹すいた、お腹すいた・・・」と、のたうちまわる私を想像していたのだろうか。
私は空腹を紛らわすかのように、取材をし、リポートをし、会議に出席した。
気丈に振る舞ってはいたものの、さすがに夜になると空腹で何もやる気になれず、眠気に襲われた。
断食中に「頭痛」や「眠気」がくるというのは、断食界では知られたことだ。
それは「好転反応」であることが多いという。
「好転反応」とは、細胞の毒素や老廃物が血液中に流れ出る影響で現れる反応だ。
体に不要なものが排出されていることが要因の良い反応で、基本的には中止の必要はないという。
一般的には初めてのファスティングや、食生活が乱れている場合、肉や砂糖を多く摂取している場合などに好転反応が出やすいらしい。
この眠気もきっと好転反応であろう。
22:00就寝。あすはいよいよラマダン最終日だ。
【ラマダン3日目 12月3日(金)晴れ】
きょうも下痢。元気に下痢。
頭痛もある。好転反応の頭痛であろう。
我慢しようかなとも思ったが、いつもの鎮痛剤を飲むことにした。
普段は20分後くらいに効いているイメージだが、きょうは飲んだ3分後くらいにぴたっと頭痛が収まった。
体に不純物がないせいか、薬の効きも驚くほど早い。
頭痛も収まり、さわやかに出社。
私のデスクの上に何やらおいてある。Mカメラマンからのプレゼントの玉子がゆだ。
断食明けは回復食として、おかゆやうどんなどやわらかい物で胃を慣らしていく必要がある。いきなり油ものや刺激物を入れると胃がびっくりするからだ。
ちょうど昨夜、おかゆの作り方を検索していたところだった。気の利いた差し入れが心に染みる。
と、ここでまた大きな誘惑に揺さぶられる。
ランチのお誘いが入ったのだ。
行きたいけれど。ここまで頑張ってきた過程を無駄にしたくない。
「ごめん。実はラマダン中なんだわ・・・」
「そんなことしてるの?」
その人は「ラーメン大盛り食べてくるー」と、嫌がらせのようなLINEを送り付け、食べ終わった後は「写真送るのは残酷だったのでやめました」と、これまたわざとらしい内容のLINEを送ってきた。
彼は体脂肪率10%、基礎代謝1300~1400キロカロリーと、スポーツ選手並みの体である。大盛りラーメンをものともしない基礎代謝。お腹もまったく出ていない。
毎日YouTubeを見ながらストレッチをし、週末はジョギングをしているそうだ。
まさに美は一日にしてならず。
私の目指すべき道はそこだ。ただ痩せたいわけではない。
美味しいものをもりもり食べても、太らない体を作りたいのだ。
この3日間で、老廃物はすべて排出した。体重は2キロほど減少した。
今後は体作りに入る。筋トレと有酸素運動でパリッとした体を作りたい。
予約が取れた。あすは10:00から24時間ジムの見学だ。